GL.iNet

『GL.iNet GL-SFT1200 Opal』を辛口評価!機能・性能・使い勝手

シトヒ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

旅先や出張先でのインターネット接続、どうしていますか。カフェやホテルの無料Wi-Fiは便利ですが、セキュリティは大丈夫かと不安に感じる方も少なくないでしょう。

そんな悩みに応えるべく登場したのが、コンパクトで多機能なトラベルルーター「GL.iNet GL-SFT1200 Opal」です。手頃な価格ながらVPN機能やギガビットイーサネットを備え、一見すると魅力的な製品に映ります。

しかし、本当に「買い」なのでしょうか。本記事では、このGL.iNet GL-SFT1200 Opalを、単なる機能紹介に留まらず、実際の性能、使い勝手、そして見落とされがちなセキュリティ面まで、ベテランブロガーの視点から徹底的に辛口で評価します。

この記事を読めば、Opalがあなたのニーズに本当に合致するのか、購入後に後悔しないための確かな判断材料が得られるはずです。基本スペックの確認から、ユーザーのリアルな声、競合製品との比較、そして専門家としての最終的な推奨まで、詳しく解説していきます。

GL.iNet GL-SFT1200 Opalとは?|基本スペックと特徴を徹底解説

GL.iNet GL-SFT1200 Opalは、多くの旅行者やリモートワーカーにとって魅力的な選択肢となる可能性を秘めたトラベルルーターです。その基本情報と特徴を詳しく見ていきましょう。

Opalの製品概要と市場での位置づけ

Opalは、携帯性とセキュリティ機能を重視して設計されたギガビット対応のワイヤレスルーターです。どのようなコンセプトを持ち、市場でどう位置づけられているのでしょうか。

費用対効果とセキュリティを両立?Opalのコンセプト

GL.iNet GL-SFT1200、通称「Opal」は、「費用対効果の高いポケットルーター」であり、「セキュリティを重視する旅行者のためのギガビットワイヤレスルーター」として市場に投入されています。このデバイスは、小規模ビジネス、小さなアパートや学生寮の居住者、そして特にビジネストラベラーのワイヤレスインターネットアクセスのニーズに応えることを目指しています。

その中心的な価値提案は、特に公共ネットワーク上での安全なWi-Fiを、競争力のある価格で提供することにあります。Opalの市場戦略は、手頃な価格と堅牢なセキュリティ機能という、旅行用ルーター市場で一般的な課題の解決を試みている点で注目されます。

GL.iNet製品ラインナップにおけるOpal

GL.iNetの製品ラインナップにおいて、Opalは「最高の価値」を提供する選択肢の一つとして位置づけられています。Wi-Fi 6やより高速なVPNパフォーマンスといったハイエンド機能を備えたBeryl AX (GL-MT3000)やSlate AX (GL-AXT1800)のような他のモデルと並んで存在します。

GL.iNetにはより強力な旅行用ルーターがありますが、Opalは、Wi-Fi 6モデルのプレミアムコストなしにギガビットイーサネットとAC1200 Wi-Fiを必要とするユーザーにとって、アクセスしやすいエントリーポイントとして機能します。OpalはSF19A28 CPU、AC1200 Wi-Fi、ギガビットイーサネットを搭載しており、これらは旅行用ルーターとしては十分なスペックです。VPN速度(OpenVPN 12Mbps、WireGuard 65Mbps)はBeryl AXやSlate AXのようなモデルよりも低いです。

デザインと携帯性|旅行ルーターとしての実力

トラベルルーターにとって、デザインと携帯性は非常に重要な要素です。Opalはこれらの点でどのような特徴を持っているのでしょうか。

コンパクトな筐体と重量

Opalは「ポケットサイズ」、「携帯用にコンパクトに設計」と表現されています。物理的な特徴としては、「ミニマリストでコンパクトなデザイン」と「明るい白色」が挙げられます。

寸法は118 x 85 x 30mm、重量は145gです。取り外し不可能な外部Wi-Fiアンテナが2本付属しています。このデザインは、携帯性と目立たなさを優先しており、ホテルの部屋や小さなアパートなど、さまざまな環境に適しています。

電源と携帯時の注意点

電源はUSB-C (5V/3A)経由で供給され、これはUSB-C電源アダプターやパワーバンクを既に持ち歩いている旅行者にとって便利です。消費電力は6W未満であり、パワーバンクでの使用に適しています。

あるレビュアーは、電源アダプターのUSBケーブルが取り外し不可能である点を欠点として挙げ、より柔軟性があればと指摘しています。Opalのサイズ、重量、USB-C電源入力は、真に携帯性に優れていると言えます。

詳細スペック一覧|他機種との比較の前に知っておくべきこと

Opalの内部仕様は、その性能を理解する上で欠かせません。CPUからネットワーク機能、パッケージ内容まで詳しく見ていきます。

CPU、メモリ、ストレージ構成とOpenWrtサポートの課題

Opalの核となるハードウェアは、SF19A28デュアルコアCPU(1GHz動作)、DDR3 128MB RAM、SPI NANDフラッシュ128MBストレージで構成されています。このSF19A28はSiFlower社製のチップセットです。

あるユーザーレビューでは、SiFlowerチップセットがアップストリームのOpenWrt開発を遅らせるため、MTK(MediaTek)チップセットであればよかったとの意見が表明されています。これは、GL.iNetが独自のOpenWrtベースのファームウェアを提供しているものの、この特定のSoCに対する公式のメインラインOpenWrtサポートや迅速なコミュニティ主導の開発を期待するユーザーにとっては期待外れになる可能性を示唆しています。

ネットワーク機能|Wi-Fi、イーサネット、USBポート

ネットワーキング機能に関しては、IEEE 802.11a/b/g/n/ac規格に対応し、デュアルバンドAC1200のWi-Fi速度(2.4GHzで300Mbps、5GHzで867Mbps)を提供します。アンテナは取り外し不可能な外部Wi-Fiアンテナ2本です。

イーサネットポートはギガビット対応で、WANポート1つとLANポート2つ(10/100/1000Mbps)を備えています。USB 2.0ポートも1つ搭載されており、USB 3G/4Gモデムやテザリングに使用できますが、「Easytetheringはサポートされていません」との注記があります。

パッケージ内容と保証

パッケージには、Opal (GL-SFT1200)ルーター本体(通常2年保証付き)、イーサネットケーブル、ユーザーマニュアル、5V/3A Type-C電源アダプター(米国プラグが言及、プラグタイプは発送国によると記載)、サンキューカード、保証書が含まれています。このパッケージには、使用開始に必要なすべてのアイテムが含まれています。

機能カテゴリ仕様
CPUSF19A28 デュアルコア @1GHz
メモリDDR3 128MB
ストレージSPI NAND フラッシュ 128MB
Wi-Fi 規格IEEE 802.11a/b/g/n/ac
Wi-Fi 速度AC1200: 300Mbps (2.4GHz) + 867Mbps (5GHz)
アンテナ2 x 取り外し不可能な外部Wi-Fiアンテナ
イーサネットポート3 x ギガビット (1 x WAN, 2 x LAN, 10/100/1000Mbps)
USB ポート1 x USB 2.0
電源入力Type-C, 5V/3A
消費電力<6W
寸法118 x 85 x 30mm
重量145g
パッケージ内容Opalルーター, イーサネットケーブル, ユーザーマニュアル, 電源アダプター

GL.iNet GL-SFT1200 Opalの実力は?|性能と使い勝手を辛口レビュー

Opalのスペックは魅力的ですが、実際の性能や使い勝手はどうなのでしょうか。セットアップからパフォーマンス、ソフトウェア面まで、ユーザーの声も交えながら深く掘り下げて評価します。

セットアップとユーザーインターフェースの評価

ルーターの使い勝手を左右するセットアップの容易さと管理画面のインターフェース。Opalはこの点でどのような評価を受けているのでしょうか。

初回セットアップは本当に簡単?ユーザーの声

GL.iNet Opalの初回セットアッププロセスは、電源投入、ルーターへの接続、ブラウザでの管理パネルアクセス、言語設定と管理者パスワード設定という流れです。あるレビュアーはセットアップを「簡単だった」と評価する一方、別のYouTubeレビュアーは「セットアップが少し難しく、少し面倒だ」と述べています。

ビデオレビューでも、「新しいWi-Fiスポットの設定に課題があり、セットアッププロセスが改善される余地がある」と指摘されています。GL.iNetはシンプルなセットアップを目指していますが、一部のユーザーは依然として、特に新しいWi-Fiスポットやより複雑な設定を扱う際に困難を感じています。

管理画面の使いやすさとOpenWrt (LuCI) へのアクセス

GL.iNetの管理パネルは http://192.168.8.1 でアクセス可能で、一般的なユーザーが最小限の入力でルーターをセットアップできるユーザーフレンドリーなインターフェースを提供します。ステータスの確認や設定の管理が可能です。

OpalはカスタマイズされたOpenWrt 18.06で動作します。LuCIはOpenWrtの標準的なウェブインターフェースであり、高度なカスタマイズのためにアクセスできます。「高度なユーザーがプラグインやアプリケーションをインストールするための拡張されたカスタマイズ体験」を提供し、5,000以上の既製プラグインをサポートしています。

パフォーマンス徹底検証|Wi-Fi、有線、VPNの実測値は?

Opalが公称通りのパフォーマンスを発揮できるのか、Wi-Fi、有線LAN、そして重要なVPN機能について、実際のユーザー報告やテスト結果を基に検証します。

Wi-Fi速度と安定性|ファームウェアによる影響

OpalのWi-Fi速度は、2.4GHz帯で300Mbps、5GHz帯で867Mbpsと公表されています。ユーザーレビューでは「外出先でも高速で安定したWi-Fiを提供する」と評価されています。

しかし、ベータ版ファームウェア(4.7.x)に関するフォーラムの議論では、いくつかの重大な問題が報告されています。具体的には、「2.4GHz帯でTXパワーが変動し、5GHz帯ではTXパワーが常に低い」、「信号強度が30dBm低下」といった内容です。実際のユーザー体験、特に信号強度と安定性はファームウェアのバージョンに大きく依存する可能性があります。

ギガビットイーサネットの実力

イーサネットに関しては、WANポート1つとLANポート2つがギガビット対応です。有線接続ではほぼギガビットの速度が期待されます。

ギガビットポートの搭載は強力な点であり、特に複数のデバイスの主要な接続ポイントとして使用する場合や高帯域幅を必要とするタスクにおいて、有線接続がボトルネックにならないことを保証します。ホテルの高速有線インターネットを最大限に活用したり、NASやPCに高速で接続したりできます。

VPN(OpenVPN・WireGuard)の通信速度と実用性

VPNパフォーマンスについては、OpenVPNの公表速度は最大12Mbps、WireGuardの公表速度は最大65Mbpsです。ユーザー体験としては、WireGuardで45Mbps、OpenVPNで9Mbps、TORで3Mbpsという報告があります。

VPNスループット、特にOpenVPNは比較的低いです。WireGuardは大幅な改善を提供しますが、それでも控えめです。このパフォーマンスは、安全なブラウジング、メール、標準画質のストリーミングには十分ですが、VPN経由での高解像度ストリーミングや大容量ファイルの転送ではボトルネックになる可能性があります。

安定性と信頼性|ユーザーからの報告

安定性と信頼性に関しては、一部のユーザーは「高速で安定したWi-Fi」を報告しています。しかし、他のユーザーは問題が発生したと述べています。「良い日もあれば悪い日もある…同じホテルの同じ部屋で、数時間は問題なく動作するのに、その後10~15分ごとにランダムに切断される」といった報告や、「残念ながら常に接続が切れる。使用不能…リピーターモードで常に切断される」といった声があります。

ファームウェアのテストスレッドでは、特にリピーターモードやWi-Fi接続に関して、ベータ版でのさまざまな安定性の問題が明らかになっています。一部のユーザーは安定した体験をしていますが、かなりの数のユーザーが、特にリピーターモードやベータ版ファームウェアで、接続の切断や不安定さを報告しています。

ソフトウェアとファームウェア|OpenWrtベースのメリットと懸念点

OpalはOpenWrtをベースとしたファームウェアを採用しており、これがメリットとデメリットの両面をもたらします。セキュリティ面での懸念も含めて解説します。

OpenWrt 18.06 (EOL) 採用の影響

Opalは、カスタマイズされたOpenWrt 18.06で動作します。公式OpenWrtドキュメントによると、OpenWrt 18.06は2020年12月以降サポート終了(EOL)となっています。

これは、公式OpenWrtプロジェクトからのセキュリティアップデートやバグ修正がこれ以上提供されないことを意味します。EOLのOpenWrtバージョンを使用することは重大な懸念事項です。GL.iNetが独自のフォークをカスタマイズし維持しているとはいえ、古いベースへの依存は、パッチ未適用の脆弱性にさらされる可能性を意味します。

GL.iNet独自のカスタマイズと機能

GL.iNetのカスタマイズは、一般的なユーザー向けの使いやすいインターフェースと、高度なユーザー向けの拡張されたカスタマイズを提供します。管理パネル経由で5,000以上の既製プラグインをカスタマイズ用にサポートしています。

GL.iNetのWeb UI 3.0により、VPNサーバーのセットアップが容易になります。ケーブル、リピーター、USB 3G/4Gモデム、テザリングの4つの方法でインターネットにアクセスできます。Cloudflare DNS over TLSなどの機能も含まれています。

ファームウェアアップデートの状況と注意点

GL.iNetはアップデートを提供しています。ユーザーは安定版とベータ版のファームウェアについて議論しています。ベータ版ファームウェアは新機能を導入しましたが、特にWi-Fiパフォーマンスと安定性に関して重大な問題も引き起こしています。

一部のユーザーは、GL.iNetが時々古いファームウェアバージョンをウェブサイトから削除し、バージョン間の変更に関するドキュメントが乏しいことがあると報告しています。Opalが「サポート終了(EOL)」であるという議論もありますが、これは製品自体のサポート状況に関するもので、OpenWrtのバージョンとは別の懸念です。

GL.iNet GL-SFT1200 Opalは買いか?|メリット・デメリットと専門家の最終評価

ここまでOpalの機能や性能を詳しく見てきました。それでは、このトラベルルーターは本当に「買い」なのでしょうか。メリット・デメリットを整理し、競合製品と比較した上で、専門家としての最終的な評価と推奨を示します。

Opalのメリット|価格以上の価値はあるか

Opalには多くの魅力的な点があります。特にコストパフォーマンスや携帯性は特筆すべきでしょう。

圧倒的なコストパフォーマンス

Opalの最大の魅力の一つは、その手頃な価格です。「費用対効果の高いポケットルーター」、「この価格でこれだけの価値がある」といった評価が多く見られます。

ギガビットイーサネットやAC1200 Wi-Fi、VPN機能などをこの価格帯で提供している点は注目に値します。

旅行に最適な携帯性

コンパクトで軽量な設計(118 x 85 x 30mm、145g)は、旅行や出張時に最適です。USB-C給電に対応しているため、既存のモバイルバッテリーやアダプターを活用しやすい点もメリットです。

持ち運びやすさを重視するユーザーにとって、Opalは有力な選択肢となるでしょう。

豊富な機能|VPN、ギガビットイーサネット

価格を考えると、Opalは非常に多機能です。デュアルバンドWi-Fi、3つのギガビットイーサネットポート(WAN x1, LAN x2)、OpenVPNおよびWireGuard対応のVPN機能、Torサポートなどが搭載されています。

これらの機能は、旅行先での安全なインターネット接続や、小規模なネットワーク構築に役立ちます。

OpenWrtによる高いカスタマイズ性

OpalはOpenWrtベースのファームウェアを採用しており、技術的な知識を持つユーザーにとっては高いカスタマイズ性を提供します。多数のプラグインを利用して、機能を拡張することもできます。

標準ファームウェアでは物足りない上級者にとって、この柔軟性は大きなメリットとなります。

Opalのデメリット|購入前に知っておくべき注意点

魅力的なOpalですが、購入前に知っておくべきデメリットや注意点も存在します。特にセキュリティと安定性には注意が必要です。

不安定な動作報告とファームウェア依存の性能

ユーザーからは、Wi-Fi接続の安定性に関する問題が複数報告されています。特にリピーターモードでの接続切れや、ファームウェアのバージョンによってWi-Fiの信号強度が大きく変動するなどの指摘があります。

ベータ版ファームウェアでは、パフォーマンスが大幅に低下するケースも見られ、安定した動作を求めるユーザーにとっては懸念材料です。

サポート終了したOpenWrtバージョン採用のセキュリティリスク

Opalが採用しているOpenWrt 18.06は、2020年12月にサポートが終了(EOL)したバージョンです。これは、新たなセキュリティ脆弱性が発見されても、OpenWrtコミュニティからの公式な修正パッチが提供されないことを意味します。

GL.iNetが独自にセキュリティパッチを提供し続ける必要がありますが、その対応が遅れたり不十分だったりした場合、デバイスがセキュリティリスクにさらされる可能性があります。セキュリティを重視するトラベルルーターとしては、大きな欠点と言わざるを得ません。

控えめなVPNスループット

OpalはOpenVPNとWireGuardをサポートしていますが、そのスループットはOpenVPNで最大12Mbps、WireGuardで最大65Mbpsと控えめです。ユーザー報告ではさらに低い数値も確認されています。

基本的なウェブ閲覧やメール程度であれば問題ありませんが、高画質の動画ストリーミングや大容量ファイルのダウンロードをVPN経由で行うには力不足を感じるでしょう。

AdGuard Home非対応と一部ユーザーのセットアップの難しさ

広告ブロック機能として人気のAdGuard Homeは、Opalでは公式にサポートされていません。OpenWrtベースであるため他の広告ブロックパッケージを導入することはできますが、手動での設定が必要です。

セットアップに関しても、一部のユーザーからは「難しい」「面倒」といった声が上がっており、特にネットワーク設定に不慣れなユーザーにとってはハードルが高いかもしれません。

競合製品との比較|Opalは本当にベストな選択?

Opalの購入を検討する際には、他のGL.iNet製品との比較も重要です。ここでは主要なモデルとの違いを見ていきましょう。

機能GL-SFT1200 (Opal)GL-MT3000 (Beryl AX)GL-AXT1800 (Slate AX)
CPUSF19A28 デュアルコア @1GHzIPQ6000 クアッドコア @1.2GHzIPQ6000 クアッドコア @1.2GHz
Wi-Fi 規格と速度AC1200 (300+867Mbps)AX3000 (Wi-Fi 6, 574+2402Mbps)AX1800 (Wi-Fi 6, 600+1200Mbps)
イーサネットポート3 x ギガビット (1 WAN, 2 LAN)1 x 2.5Gbps WAN, 1 x 1Gbps LAN3 x ギガビット (1 WAN, 2 LAN)
USB ポートUSB 2.0USB 3.0USB 3.0
MicroSD スロットなしなしあり
OpenVPN 速度 (最大)12Mbps150Mbps120Mbps
WireGuard 速度 (最大)65Mbps300Mbps以上550Mbps
AdGuard Home サポートなしありあり

GL.iNet Beryl AX (GL-MT3000)との比較

Beryl AX (GL-MT3000)は、Wi-Fi 6 (AX3000)に対応した新しいモデルです。CPUもより強力なクアッドコア(IPQ6000)を搭載し、VPN性能が大幅に向上しています(OpenVPN 150Mbps、WireGuard 300Mbps以上)。2.5Gイーサネットポートも備えており、パフォーマンスを重視するなら魅力的な選択肢です。

GL.iNet Slate AX (GL-AXT1800)との比較

Slate AX (GL-AXT1800)もWi-Fi 6 (AX1800)対応モデルで、Beryl AXと同様の強力なCPUと高速なVPN性能を誇ります。USB 3.0ポートとMicroSDカードスロットを備え、機能性とパフォーマンスのバランスが良いモデルです。

専門家による最終評価と推奨ユーザー

Opalは非常に安価なトラベルルーターでありながら、ギガビットイーサネットやVPN機能など、魅力的なスペックを備えています。しかし、その評価は単純ではありません。

Opalをおすすめできる人・できない人

Opalが最適なのは、以下のようなユーザーです。

  • とにかく予算を抑えたい技術に詳しいユーザー
  • 公共Wi-Fiでの基本的なセキュリティ対策としてVPNを利用したいが、速度はそこまで求めないユーザー
  • OpenWrtのカスタマイズを楽しみたい、またはそのリスクを理解して対応できるユーザー
  • ファームウェアの選定やトラブルシューティングをある程度自分で行えるユーザー

一方で、以下のようなユーザーにはOpalはおすすめできません。

  • 常に安定した高速なインターネット接続を求めるユーザー
  • セキュリティアップデートの継続性に最大限の信頼を置きたいユーザー
  • VPNを高頻度で利用し、かつ高速なスループットを必要とするユーザー
  • 設定やトラブルシューティングに手間をかけたくない初心者ユーザー
  • AdGuard Homeを簡単に利用したいユーザー

購入にあたっての注意点と代替案

GL.iNet GL-SFT1200 (Opal)は、その低価格が最大の魅力ですが、サポート終了したOpenWrt 18.06をベースとしている点は、セキュリティを重視するならば見過ごせない大きな懸念点です。ユーザーレビューでは安定性に関する問題も散見され、特にファームウェアのバージョンによって性能が左右される傾向があります。

もしOpalを検討する場合、GL.iNetが提供する最新の安定版ファームウェアを使用し、ベータ版の利用は慎重になるべきです。しかし、より長期的な安心感と高いパフォーマンスを求めるのであれば、Beryl AX (GL-MT3000)やSlate AX (GL-AXT1800)といった、より新しいGL.iNetモデルへの投資を検討することをおすすめします。これらのモデルは、より新しいOpenWrtバージョンで動作し、VPNスループットも大幅に向上しています。

結論として、Opalは「安かろう悪かろう」とまでは言いませんが、その低価格には相応の注意点と割り切りが必要な製品です。ご自身の技術スキル、利用目的、そしてセキュリティに対する許容度を総合的に判断して、賢明な選択をしてください。

記事URLをコピーしました